テレビはそんなに見る方じゃないんですが、それでもたまに面白い番組に出会うとついつい見ちゃいますよね。2015年の第4クールは、久々にあたりだった気がしていて、一押しだったのが、「SICKS〜みんながみんな、何かの病気〜」です。ちょうど、大人気のグルメ番組「孤独のグルメ Season5」の直後にやっていた番組なので、もう少し見てる人がいるかと思ったら、何故かほとんど知られてないのが残念でたまりません。あの青と透明のカプセルのインパクトも相まって、一度見ると確実にはまります。しかし、たまにおすすめのテレビ番組とか聞かれて勧めてみても、あまりにもマイナーなためか、イマイチすぎる反応でがっかりです。なのでブログで勝手におすすめしたいと思います。
「SICKS〜みんながみんな、何かの病気〜」とは?
SICKSは、さまざまな"現代病"をテーマにした、完全オールロケのコント番組で、おぎやはぎとオードリーの4人をメインに、女優の清水富美加、岸井ゆきの、佐藤仁美、モデルの大倉士門、℃-uteの中島早貴などの豪華なキャストが出演しています。
最初の頃は、それぞれのコントが別々のコントのようにみえるのですが、ストーリーが進むにつれて、複数のコントに仕込まれた伏線が少しずつ交錯しながら、やがて1つのドラマにつながっていくという斬新な構成になってます。話が進むごとにストーリーが見えてくるので、コントの面白さに加えて、ドラマとしても楽しめるという、今までにない形のテレビ番組で、日本の放送文化に貢献した優秀な番組に送られるギャラクシー賞の2015年12月度の月間賞を受賞しています。これは納得の結果ですね。
サブタイトルの、「みんながみんな、何かの病気」ってところは、確かにその通りだよなぁと。それぞれのコントに、テーマとなる病気が設定してあって、どの病気も確かに、こういう奴いるよなー、って感じで、共感しまくりです。
人の注目を集めるためなら手段を選ばず煽ってしまうバズりたい病や、何事にも上から目線の評価をしてしまうレビューアー病の人なんか、身近に一人ぐらいはいますよね。
「SICKS〜みんながみんな、何かの病気〜」のどこが面白いのか?
もちろん全体的におすすめですが、特におすすめなコントが3つほどあります。
腐った友情(フルボッコ病)
第一回の放送から注目を集めたのが、フルボッコ病。女優の清水富美加と℃-uteの中島早貴による、BL作家の日常会話をテーマにしたコント。超絶早口でこれでもかというほどネットスラングを詰め込んで、読み切れないスピードで解説テロップが入ります。しかも、虚実織り交ぜての解説は、コマ送りで読む価値ありです。ってか、ほんとにあれだけの長回しをあれだけの早口で噛まずに言い切れるのはすごい。すっかりふみかすファンになりましたよ。
研究員町田(オーバーリテラシー病)& 研究員酒井・発田・時村(本気出してないだけ病)
この2つは、コントとしての完成度が高い!危機管理意識が行き過ぎ過剰な監視やストーキングを行うという設定の研究員町田を演じるアンガールズ田中がはまり役すぎる。どこまでキャラを作ってるのかがよくわからないぐらいの熱演です。これは番組に関係なく定番コントにして欲しいなぁ。研究員酒井・発田・時村のほうも、会話のテンポが心地良すぎる。スポットで登場しているハライチ澤部演じるウェイターのリズムよく繰り出される的確なツッコミと、小木・矢作・若林が演じる研究員とのズレた会話がたまりませんね。第7回の放送は、全12話のなかでもコント面とストーリー面が程よいバランスで混在している神回です。ガチ夢病の女子高生つばめも、最高に面白い!
永世認定処女(ガチ恋病)
妄想と現実の区別がつかず見てみぬふりを繰り返すガチ恋病。これも演じてる若林のキャラがキラリとひかるいいコントです。が、岸井ゆきの演じるつばめちゃんの「どういたしまして。」が最高に良い。あんな笑顔で「どういたしまして。」って言われたい。そういえば、最近「どういたしまして。」を正しく使える人ってそんなにいないよなー、と思うのです。感謝を伝えた時に、「とんでもない」と返してくる人って結構多い気がするんですが、そうじゃないんだよ、と。素直に感謝を受け取って、「どういたしまして。」
って言ってくれればいいんだよ、と。そんなことを考えながら見てました。SICKSをみて「どういたしまして。」をきちんと言える人が増えると嬉しいなぁ。
まとめ
というわけで、珍しくおすすめのテレビ番組の紹介でした。いや本当に、見てない人にはぜひ見ていただきたい。SICKSのBlu-ray&DVD BOX は3月28日発売ですよ。
個人的には、バズりたい病にかかって、ブログにいい見出しを付けたいですね。最終回で、矢作演じる見出しの達人・時村と、柳英里紗演じる中田杏が見せる、ビジネス新書のタイトルを作る過程は秀逸。「出世する男は、玄関に靴が一足しかない!」から「出世する男は、玄関で(以下略…笑)-新人さんがデビュー初日にデキちゃいました- 頑張ったお洋服たちの卒業式」は、今の私にはどんなに頑張っても無理な発想だなぁと思うわけです。
ちなみに、エンディングのテーマ曲、Czecho No Republic の fireworks も、いい曲ですよね。今まであんまり知らなかったんですが、Czecho No Republic なかなか良いバンドだと思います。